スパイスの王様「ブラックペッパー」の効果とは?栄養素やアロマ(精油)の使い方をご紹介
日本だけでなく世界的に有名なスパイスであるブラックペッパー。調味料としての利用が一般的で、その味(風味)は皆さんご存知だと思います。しかし実はその香りにも心や身体に対する効果があることをご存知でしょうか?そんなブラックペッパーに関する基本的な豆知識と、ブラックペッパーの精油についてご紹介していきます!
2017年10月12日更新
記事の目次
[1]ブラックペッパーとは?
「ブラックペッパー」、日本でもとてもメジャーなスパイスの1つですよね。近所のスーパーでも簡単に手に入り、通常の「コショウ」とは別に用意されている家庭も多いのではないでしょうか。
現在では、ブラックペッパーも料理に合わせて様々な調理法があり、味や彩りのアクセントとして楽しまれています。
世界的にも有名なスパイスであるブラックペッパーの歴史は古く、インドでは紀元前2500年〜3000年から使用されていました。更に紀元前4世紀の初め頃から古代ギリシアの植物誌にも考察されています。
冷蔵技術がまだ未発達だった中世の大航海時代には、食料の長期保存のために非常に重宝されたスパイスで、「スパイスの王様」とも呼ばれています。
ブラックペッパーの主な原産国
インドの南西マラバール地方がもともとの原産地とされています。現在ではインド・スリランカの南アジア地域から東南アジアのインドネシア・マレーシア・ベトナム・カンボジア、中南米に位置するブラジルに広がり、これらが主な産地となっています。
種類はあるの?
ブラックペッパーは胡椒の実から作るものですが、胡椒の実はその収穫の時期等によって数種類に分けられています。それぞれ特徴があり、用途に合わせて利用されています。
■ブラックペッパー(黒胡椒)
胡椒の実を完全に熟す前の緑色の段階で収穫し、時間をかけて乾燥させたものです。「ピペリン」という胡椒の辛味成分(香りの成分でもある)が他のものと比べ、最も多く含まれています。
■ホワイトペッパー(白胡椒)
胡椒の実が赤く完熟してから収穫し、乾燥させてから水に長時間漬け、外皮を柔らかくし、それを剥いたものです。ブラックペッパーと比べて辛味、香り共に抑えられています。薬用として胡椒を使用する時に使われる場合にホワイトペッパーが使用されるそうです。
■グリーンペッパー(青胡椒、緑胡椒)
完全に熟す前の赤色の段階で収穫し、塩漬けまたは短期間で機械によって乾燥されたものです。辛味はありますが香りが他と比べ爽やかであることが特徴です。タイ料理やカンボジア料理では「具材」の1つとして炒め物等に使われています。
■レッドペッパー(赤胡椒)
完熟した赤い実の状態で収穫し、それをそのまま塩漬けし機械で乾燥したものです。色味が鮮やかで辛味がほとんどなくマイルドな風味のため、様々な料理のアクセントとして使用されています。
ブラックペッパーの栄養素は?
胡椒は実はとてもミネラルが豊富でビタミンも含まれている栄養価が高いスパイスです。カリウム・マグネシウム・カルシウム・鉄分・マンガン、ビタミンB1、ビタミンB2等が含まれています。
しかし調味料のため、大量に摂取するということは中々なく、栄養価よりも胡椒の辛味成分、香りによる薬理効果の方が注目されています。
薬理効果もあるブラックペッパー
胡椒の有効成分である「ピぺリン」の効果により、様々な影響があります。
- 血行促進効果による冷え症改善・代謝アップ・胃腸の機能改善
- 消化能力促進効果
- 栄養吸収能力促進効果
そして胡椒には鉄分が多く含まれており、ピぺリンの持つ効果と合わさり鉄分の吸収がよくなり、貧血予防や美肌作りにも繋がっていきます。
料理との相性は?
胡椒は上記した実の種類や、粒の挽き方によって相性の良い料理があります。
●ブラックペッパー
肉料理との相性が良く、サラダの仕上げにも使われる。
●ホワイトペッパー
魚料理との相性が良く、ソースやスープ等にも使われる。
●グリーンペッパー
肉料理、魚料理共に相性が良く、フランス料理やタイ料理、カンボジア料理でよく使われる。
●レッドペッパー
味よりも彩りとしてどんな料理にも使われる。
≪挽き方≫
●ホール(粒)
丸い粒の状態のまま使用します。長時間煮込んだり、香りをゆっくりと染み込ませたい時におすすめです。煮込み料理やマリネ等に適しており、味の下地として楽しみたい時に使用します。
●粗びき
八ツ割をもう少し砕いた位の粗く挽いた状態です。胡椒の風味と食感を楽しみたい時におすすめです。ステーキや肉のグリル・ロースト等に適しています。
●グラインド
粗びきを更に細かく挽き、粗挽きの粒とパウダー状態の粒が混ざったものです。風味・食感とも柔らかく、料理の下処理から仕上げまで様々な調理に適しています。
●パウダー
胡椒の実を細かく挽き、パウダー状になったものです。粒子が細かいため、他の挽き方と比べ香りがすぐに立ち、即効性があります。下味をつけたり、料理の仕上げに適しています。
[2]ブラックペッパーのアロマとは?
ブラックペッパーの精油(エッセンシャルオイル)
ブラックペッパーの実から抽出された精油で、基本的にスパイスからとれるオイルだけあり、心と身体を温める作用があります。
■ブラックペッパーの精油の効果
≪心への効果≫
独特のスパイシーな香りが心を活性化し、やる気を出したり優しい温かみを感じさせてくれます。精神的に弱気になっていたり、何事にも興味が持てず感情が冷めてしまっている時に1歩踏み出すエネルギーや情熱、行動力を与えてくれます。
自分から発信し、現状を変えるエネルギーを与えてくれます。
≪身体への効果≫
身体を温め血行をよくして筋肉のコリをとり、筋肉痛や肩こり、腰痛の痛みを和らげます。更に胃腸の消化機能を整えて代謝機能を高め、冷えが元になっている腹痛や下痢、嘔吐、消化不良等の不調に効果的です。
肥満を解消し体重を減少させる効果もあると言われています。ただ刺激が強い精油のため、直接マッサージ等で肌にのせることはあまりありません。もし使いたい場合は低濃度で使用するなど注意が必要です。
■香り
胡椒独特のスパイシーで鋭く強い香りです。トップノートで揮発性が強いので、すぐに香りがたちすっと抜けていきます。
■おすすめの使い方
芳香浴や入浴での使用がおすすめです。血行促進効果で身体が温まり、行動するためのエネルギーが湧いてきます。刺激が強い精油のため、マッサージ等で直接肌にのせるのはあまりおすすめではありませんが、しもやけや打ち身の緩和にはブラックペッパーの精油を薄い濃度で希釈したマッサージオイルを使用しても、ごく少量であれば問題ありません。
また、ブラックペッパーの香りをブレンドした香水もあります。メンズの商品での取り扱いが多いですが、ユニセックスで使えるものもあり、女性からの人気もあります。多くはトップノートとしてブレンドされ、嗅いだ瞬間スパイシーさを感じさせます。
その後甘くなっていったり、お香のようなスモーキーな香りになったり、爽やかに香るもの等様々な商品があり、幅広く楽しめる香りです。調味料の胡椒に香水や精油があるなんてちょっと意外で面白いですね!
[3]味覚だけじゃない!嗅覚も刺激するブラックペッパー
調味料として世界中で親しまれているブラックペッパーですが、味や風味以外に精油や香水等の香りでも様々な効果があることがわかりました。普段特別に気に留めることは少ないと思いますが、是非その香りも深く楽しんでみてはいかがでしょうか!